しうかつマケグミの自分が書いてみた。

最初に言っておきます。今回は真面目なエントリです。

www.huffingtonpost.jp

こちらの記事のタイトルが目を引いたので、ちょっと読んでみました。
ざっくりまとめると「日本のしうかつはクソ、やっぱりドイツがナンバーワン!ドイツの科学は世界一ィ!」って感じでした(かなり乱暴にまとめたので、細かいことが気になるって方は是非リンク先を拝読願います)。ツイッタァーで「後で感想をブログに詳しく書く」と言っちゃいましたので、ダラダラ書きます。

個性を求めています(個性を求めるとは言っていない)日本のシステム

確かに、日本のしうかつシステムは変な箇所が多いと思います。全員が真っ黒いリクルートスーツに身を包み、盆や年末でもないのにビッグサイトに集結して貴重なお話を聞きにったり、エントリーシートなるものをショドーしたり、あるいは面接と呼ばれるチャドーの一種の対策をしたり…。「働く」という行為に至るまでのプロセスが増えすぎて学生・企業両方に負担になっているんじゃねえの?と思います。だいたいリ●ルートとかいう暗黒メガコーポのしわざです。俺は詳しいんだ。

ただし、このシステムは一応合理的ではあると思います。リクルートスーツであるとかエントリーシートのような、一見理不尽なしうかつの「シキタリ」というフィルタを掛けることで、内定後にカイシャ(企業、とはあえて書かない)内でいともたやすく行われるえげつない「シキタリ」に耐え切れないであろう人間を除外する、といった形で作用しているのではと考えられるからです。
これはリンク先記事では「協調性」と表記されています。多くの企業はしうかつを通じてカイシャ組織内での愚直なまでの協調性を測っている、その点において今のシステムはある意味有効に作用しているのではないでしょうか。

ところが、今のリク●ートなどの宣伝文句、あるいは経団連とかいうブルジョア組織の言い分を見ますと「個性あふれた」「リーダーシップのある」「イノベーションを起こせる」「グローバル」のような人材を求めているように見えます。ちょっと前に何処かの求人サイトの広告に「ジョブズのしぐさを真似したしうかつ生たち」が写っていたことから、なんとなく偉い方々はジョブズのような人材を求めているのかもしれません。
ジョブズリクルートスーツを着てエントリーシートを書きますか?おかしいと思いませんか?わたしはジョブズがどんな人柄であったかよく分かりませんが、間違いなく日本式しうかつに適応しないと思います。一連のしうかつプロセスは「個性あふれる人材がほしい、ただ空気は読めよ!」こういった矛盾を突きつけていると考えざるを得ません。

しうかつに対する、マケグミの僕の考え

日本の状況を見ると、学校(大学)と企業が学生の就職をめぐる対立みたいな話も耳にします。たとえばこんな感じの。

企業「大学の勉強が仕事に全く役に立たないものばかりだ。プログラミングを大学で教えろ」

大学「ウチは就職予備校じゃねえ殺すぞ テメェらは教育コストを削りたいだけだろ」

また「しうかつの解禁時期云々で試行錯誤があり、関係者が対応に追われている」と言ったニュースも記憶に新しいですね。従来の「卒業→社内での手厚い教育」といったモデルが崩れつつある中で、主として教育の代わりとなる存在を模索しているのかもしれません。

僕個人の考えとしては、「在学中に就職活動と学業を並行させるのがそもそもおかしい」と思ってます。多くの人間はどっちも中途半端になってしまうか片方が疎かになるかになっちゃうんじゃないですか?大学は学業、企業は仕事(あるいはそのための教育)、で完全分業した方がいいでしょう?

とは言っても、全ての企業が社員教育にかける十分な費用があるわけではないので、一部の教育はやはりどこかが代替しなければならないのかなぁなんて思ってます。ドイツにはAusbildungなる学校があるそうです。就業体験つきの専門学校といったところでしょうか。こういった職業訓練校のような制度はもっと広がったらいいのになーと思います(ひょっとして日本で言うAusbildungは農業高校とか工業高校みたいなもんなのだろうか?)。

職業訓練校をきっちり作るなら、合わせてキャリア(あまり好きな言葉でない)の選択肢も多くあったらいいですよね。卒業→訓練校→就職でもいいでしょうし、いったん就職した後に訓練校、訓練校経由で就職後に大学入学なんてのも可能(制度上だけでなく、後ろめたさも無いような風潮)にすべきです。「就職したけどマネージャー職になりたい、じゃあマネージメントを学べる訓練校or大学のマネージメント専攻へ行こう」というパスなんかも有効じゃないでしょうか。

ドイツ日本の制度を比較して、単純にどちらが良い悪い、効率的非効率的と判断はできないと思います。リンク先では日本のそれを一方的にdisって「終わってる」とすら表現していて苦笑せざるを得ないのですが、この一文だけは個人的によく響きました。

根性論が廃ってバブルがはじけたのに、まだ古いやり方でやってるの?

かつて世界を席巻した家電メーカーの経営が行き詰まり、一人あたりGDPではOECD最下位近くに甘んじ…みたいな日本経済の後退が叫ばれる中、しうかつ制度もひとつの転換点を迎えているのかもしれません。「しうかつが嫌だから海外に就職した」優秀な方がいらっしゃるのも事実。そういった方を現在の学生、未来の学生、求職者、そしてこのブログを見ているニートたちのために、彼らがより幸せになるような変化を求めていきたいですね。

明るい締め方をしたのは久しぶりだが、「しうかつ」が「死迂闊」と変換されました。