特別展・三国志を見てきました

東京国立博物館で開催されている「特別展 三国志」を見てまいりました。かつてマジック・ザ・ギャザリングの「ポータル三国志」で三国志の世界に触れてからというものの、横山三国志を全巻読み、三國無双をプレイし、2010年の中国ドラマ「Three Kingdoms」を全90話見る(これは三国志好きならオススメです)などの三国志ファンなので、こういった展示・催しがあるとついつい行きたくなってしまいます。

sangokushi2019.exhibit.jp

会場の東京博物館は上野駅から徒歩で結構歩きます。三連休の中日ということもあったせいか駅前から人でごった返しており、なかなか歩くスピードも上がらないというものです。おまけに会場も混雑しており、チケット購入に20分待ち、入場にも20分待ちの状態でした。おまけに梅雨空にシトシトと雨が降っており、気温が低くとも湿度が高いせいか、待機中にはじっとりと汗が出てきます。傘で片手が塞がることを考えると、あまり順番待ちに適した気候ではなかったようです。

傘を預けて入場すると、早速音声ガイドを購入することとしました。あらかじめ調べておいた「真・三國無双」のキャラクターがガイドをしてくれるコラボバージョンのものを購入。Webサイト上では4キャラクター描かれており、「これは4回来ないとコンプリートできないのでは?」とオタク特有の発想をしてしまいましたが、1ガイド内で4キャラクターがちゃんと登場するようです。よく知らずに「夏侯惇のやつください」と受付の人を困らせてしまったわ。

会場はカップル、家族連れ、外国人観光客など千差万別。入場して即三国志の薀蓄を語る男性がいらっしゃいましたが、自分も誰かと一緒に来ていたら同じ様になっていたのは想像に難くないですね。中には超絶マニアの方もいらして、船(楼船)の模型の展示を見ながら「この楼船は董襲が落っこちたやつと同じ型なのでは?」と三国志演義を通り越して正史を読んでいないと分からない内容で盛り上がっている女性2人が印象的でした。

展示品は、当時の陵墓からの発掘品やその復元品が主なものでした。当時の暮らしぶりなどに思いを馳せることができました。一般的に三国志を語るときというのは、武勇を誇る猛将、知略を巡らせる軍師らの活躍が全面に出てくるのですが、その裏には他の人間が大勢、確かに存在していたんだなぁと気づきを得られました。三国志ファンからすると近年の発掘・研究の成果を受けて、ドラマやゲームの交渉・描写・小道具・設定などが変わっていくでしょうから、それを想像するのも楽しいですね。

曹操高陵、すなわち曹操の陵墓の発掘内容も知ることができたのは良かったです。下記の写真は発掘された陵墓が曹操のものと結論付けられる強い根拠になった石牌です。幸いかなり状態が良かったですね(ちなみに、当展示はすべて撮影可能でした)。石碑にある「魏武王」が曹操の諡であったこと、墓の特徴が後漢末期であったことなどから、曹操の墓とされたとのこと。

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他にも陵墓からは白磁の「罐」と言われる容器が見つかっているのですが、白磁の起源については隋代というのが通説らしく、それを揺るがすものとして注目されているようです。音声ガイドによると青磁を作る過程で偶然白磁ができることもあったそうなんですが、意図的に作れたんでしょうか。ちなみにその「罐」の写真は撮ってません。なんでやねーん。
陵墓の構造を復元した箇所もあったのですが、始皇帝陵などを想像すると全然小さかったです(1軒家の敷地くらい?)。これには史書で伝わる曹操本人の遺言が生きていることを示しているそうですね(と同時に、史書の記載にあった遺言が実際になされたことに対する強い根拠にもなる)

感想としては、とりあえず大盛況大盛況アンド大盛況であったので、今度はすこし空いている時間に行こうと思いました。土日なら午前中、土曜の夜(21時くらいまでやっているらしい)、あとは平日だといいんでしょうかね。でも外国人観光客はあまり変動しなさそう。とりあえず人が少なめの時間帯を狙って再度見てみたいなと思います。音声ガイドも世界に引き込まれる手助けをしてくれる素晴らしいものでしたので、無双ファンは是非。次行くときは吉川晃司さんの音声ガイドにしましょうか。

2時間くらいかけて全部回りきったので足と目が疲れました。適度に休みながら回ったほうがいいかもしれませんね。ただとても充実感ある、文化的な休日を過ごせたと思っています。9月くらいまでやっているので、このブログを読んでいる学生諸君は自由研究の課題なんかにも使えるのではないでしょうか(どちらかというと世界史の教科書的な深みを得るような展示内容ですね)。

三国志は異国の物語・歴史ですが、海を超えて日本人にも愛されていますね。