最近サウナに行っている

最近どうもサウナが流行っているらしい。おひとりさまでも行けるし大声を出したりすることもないので、感染リスクが高くないとみなされているのだろう。サウナを扱ったドラマとか、サウナの利用の仕方を教えてくれるアドバイザー的な存在もあるらしい。場所によってはすごく混雑しているなんてこともある(ソーシャルディスタンスの影響で回転率が下がった、というのもあるんだろうな)。

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最近は自分もサウナを利用するようになった。もとから温泉に入ったりするのは好きだし、外の空気や自然音に触れる時間と組み合わせることで体調が良くなったという経験もある。秩父とか、サイボクハムの温泉施設とか。

今回はサウナについて、自分の習慣とか考えをじっくり書いてみようと思う。

サウナに通い始めた経緯

大きく分けると以下のような感じになる。

  • Twitterのフォロワーが通いだしていた。
  • たまたま近くにあった。

コロナが流行ってからというものの、各地のイベントは規模を縮小したり、リモートになったり、あるいは絶対数そのものがめっきり減ってしまったりした。こうなるとTwitterのオタクたちは行き場所を失ってしまう。そこでたどり着いたのがサウナというわけである。もともとオタク連中というのは「おひとりさま」が大得意であるので、一人で勝手にやってきて勝手に整って帰っていくスタイルに適応するのに大して時間はかからなかったのだと思う。

そうやってTwitterのフォロワーが「整った」「体調が良くなった」「サウナ後のビールがうまい」なんてツイートをすると自分も気になってくる。「一体全体『整う』とはどういうことなのか」「そんなに体の具合が良くなるのか」といった前向きな興味も出てくる。

サウナに関してのアンテナを伸ばしていくうちに、自宅近くにちょうどよいサウナがあることに気づいた。同じ建物に「サウナ」「パチンコ店」「居酒屋」が入っている、成人男性のディズニーランドのようなところであった。料金もさほど高くない(朝の時間帯に入場すれば1000円ちょっとで済む)。それほど決断に時間はかからなかった。

サウナにどのように入ればいいか

これに関しては色々やり方が書いてある。サウナの温度にも依拠しているらしい。一般的には乾質サウナで70~90度であるというが、最寄りサウナの温度はわからない。温度計があるかもしれないが読みようがない。サウナに入るときはメガネを外して入るので、足元の安全を確保しつつ歩くので精一杯である(裸眼の視力は0.1を切っている、整体に行くと0.05くらい上がる)。あくまで「自分流はこうだ」という言い方しかできない。

まず服を脱ぎます。そして水をコップ一杯飲んで浴場へと足を踏み入れる。汚い身体でサウナで汗を流すわけには行かないので、まずはシャワーなりシャンプーなりで身体の汚れを落とす。これは「サウナの入り方」の数多ある説明の中でも最低限のマナーとして書かれていることが多い。

身体をきれいにしたら、いよいよサウナ室内だ。ソーシャルディスタンスを意識しつつポジション取りを行う。サウナで座れる場所は上下の二段構成となっていることが多いが、上段より下段のほうが温度が低く初心者向けであるという。ただ最寄りサウナは床のタオルが下段部分にしか敷かれておらず、下段に座ると足がやけどしそうになってしまう。このため上段に座っている。

心頭滅却、ではないが、腹式呼吸をしながらじっとしてみる。雑多な思考に脳を働かせなくとも良い。「自分は今の仕事や業界に向いていないのではないか」「30代・40代をどう生きていくか」「あの上司とどう付き合ったらいいのか」…。生きている中で「どうやってこの先生きのこるか」という不安に突如襲われることがあるが、サウナではそういうことは不思議と起こらない。未来の不確定なモヤモヤではなく、今現在の「くそあつい」に全てが押し流されていく。皮膚感覚と発汗機能をフル回転させて、身体の錆びついた歯車を回すのだ。と、偉そうに言ったはいいのだが、サウナはいつも5分くらいでギブアップしてしまう(ちなみに、時間はサウナ内のテレビの時刻表示でだいたい測った。目盛り付きの砂時計があることに後で気づいた)。10分ほど入ることをすすめている説明もあるのだが、まだ自分は道半ばといったところだろうか。

サウナはここからが本番だ。よくある説明では水風呂に入れという。最寄りにも15度を切るような水風呂があるのだが、自分は心臓にそれほど自信がないのでかけ湯だけにしている(サウナで心不全を起こすのはなんか嫌だ)。これだけでも「くそあつい」身体にふわふわしていた意識がバチッと元に戻ってくる。身体の輪郭がはっきりした感覚になる。言い忘れたが水風呂に入る前に、サウナでかいた汗をきれいに洗い流すのも忘れずに。

自分は水風呂よりも、その後の外気浴を大事にしている。今の時期は素っ裸で屋外へ出ると水風呂と似たような効果を得ることができる。幸い屋外スペースにはベンチがあるので、寝転がりながらリラックスする。これが一番自分が楽しいと感じる時間だ。目を閉じて水の音や外の音に感覚を向ける。自然の音(鳥のさえずり、風に揺れる木々の音etc.)がしないのが玉に瑕だが、最近YouTubeかなんかの音源を流すようになっていた。これはこれでいい。自分は海の音より森林の音が好きらしい。

寝転がりながら目を閉じ、しばらく腹式呼吸。副交感神経が優位に働いている感じがする。だいたい外気浴は10~20分、サウナより長くやってしまう。その後で低温(だいたい体温と同じくらい)の浴槽に入り、こちらも浴槽内のベンチが空いていれば身体を横たえて目を閉じてみたりして過ごす。ある時、閉じた目を再度開くと浴槽の水面が太陽に照らされてキラキラしており、あまりに感動しすぎてこれは三途の川かと思ったことがある。普段頭でっかちになっている自分が、目の前の光景に感覚を向けて感動できていることに感謝してしまう。

サウナ→水かけ→外気浴→低温湯を3~4セット繰り返し、気がついたら1時間以上を過ごしている。ゆったりとした館内着に着替えて、マッサージ機で体をほぐしたり、休憩室で「オロポ」を飲みながら読書をしたりしている。キンキンに冷えたオロポは好きな味だが、「MATCH」と似た味と言われると「MATCHでいいか」という気もする。少なくとも自分で調合するよりは既製品のMATCHを買ったほうがいい。

なんだか、サウナレポになってしまった。前のエントリで書いたように、今年は他のサウナにも行ってみたい。おっさん臭い趣味であるが、身体はなんとなく元気になるので自然と続く習慣が増えたのは歓迎したいなと思っている。